「このつまらない世界を変えたい。 ---そう願ったのが最後だった。」
2020年。七杜高校に通う普通の男子高校生、神埼透は突如として世界の異変に直面することとなる。
下校途中に、彼は道端で倒れていた少女『ホープ』を助けたことで、彼は現実と理想の境目に閉じ込められてしまったのだ。
『キミには理想を具現化出来る能力があるよ。 キミは自分に正直になるの?それとも世界に嘘をつくの?』
そう言った、「ホープ」との出会いとほぼ同時に発現した異能力『理想トリガー』。 この能力が起こす様々な狂気で、彼は理想と現実の境目を彷徨うことになってしまう。 眼の前に現れるのは現実のオブジェクトに交じるアニメのキャラ、ゲームのオブジェクトなど。 しかも、それらは自分以外にも見えているし、認知することも出来る。
彼は理想と現実の境目を彷徨い、部活の仲間たちと共に調査を開始するも、そこで待ち受けていたのは様々な人物の『理想』が生んだ悪意で生み出された狂気のシナリオだった……
・Keywords
理想能力者
眼に特異な紋章を浮かべ、自分の理想認知で生み出したキャラクターを連れて理想を具現化する能力者の通称。
理想認知で最初に生み出されたキャラクターは自らの写し絵で、<i>(アイズ)という名称が付けられている。 <i>の種類、形状などは能力者毎に異なる。 その紋章が@に見えることから、アットアイディールという仮名称で呼ばれている。
<i>
アイズとは、発現対象が理想能力者として覚醒した場合に、初期想造段階によって自らの最も強い理想認知上から現実化されて生み出される生命体の総称。 形、振る舞い方、アイズ自体が持つ能力などは能力者毎に異なり、決して同一になることはない。
理想トリガー
理想能力者の能力が暴走した場合、『自らに正直になるか』、『世界に嘘を付くか』の2つから運命選択を余儀なくされるもの。 理想能力者の覚醒もこの能力によって発生する。 不意に発生する理想能力の暴走が招くこの理想トリガーが、透たちを狂気に落としていく……。