2024年10月26日土曜日

2024…再び、レッツ・ボルトイン!!(映画『ボルテスV:レガシー』感想) ※超ネタバレあり

 

皆さんは、『超電磁マシーン ボルテスV』を覚えていますか?

もちろんわたしが世代なわけないというか生まれてすらいない(わたしの生まれは1995年です)年代。 そう、1970年代、ロボットアニメ全盛期のアニメです。


日本でもどちらかというと前作のコンバトラーVの方が認知度が高いですが、

わたしはボルテスのほうが好きです。


・そもそもボルテスVって何?

多分令和を生きている人たちは知らないと思うので、軽く解説を入れます。

『超電磁ロボ コン・バトラーV』の大成功を受けて制作されたロボットアニメで、5台のメカが合体して1体のロボット『ボルテスV(ボルテスファイブ)』となり、その操縦者として選ばれた5人の若者が青春を賭け、侵略者・ボアザン星人と戦う、という王道の展開ながら、かなり重厚かつ重いストーリーと伏線が観るものを魅了した、長浜ロマンロボシリーズの第2弾です。大河ドラマ並の重厚なドラマ感、角の有り無しでその身分が決まるという敵であるボアザン星人の設定を通して差別問題に踏み込んだりするなど、そのストーリーのドラマ性は海外(特にフィリピン)でも高く評価され、現在でもアニメブーム黎明期の大傑作と評価されています。


・フィリピンでのボルテスV人気

さて、そろそろ本題に踏み込みますか…。

フィリピンで『ボルテスV』が放送されたのは日本での放送の翌年のことで、その最高視聴率は58%を記録、当時の世代だった人たちが、当時の政権にボルテスVの放送を禁止され、それでも立ち上がってあり余るボルテス愛で見事革命を成し遂げ、政権を打ち倒してしまうなど数々の伝説を残しています。 一方そのあり余るボルテス愛が問題を引き起こすことも多かったそうで、『ボルテスV』見たさに学校の勉強や課題を疎かにしてしまったりしていたそうです。そして、ボルテスVは50年近く前のアニメながら何度でもフィリピンで再放送されたそうで、今の子供世代にもボルテス人気は加速し続けています。

主題歌である『ボルテスVの歌』も、第二の国歌として扱われるほどで、ほとんどの人が日本語で歌えるらしく、子どもたちもテレビでボルテスVを見ながら熱心に練習しているそうです。『ボルテスVの歌』を歌う堀江美都子さんは、なんとフィリピンから国賓レベルの超大物として扱われているそうで、警備隊に囲まれながら道を逆走した、という話をしたそうです。もちろん歌う曲は『ボルテスVの歌』だけ。 メディアから執拗に無茶振りを受けても、歌い上げたそうです。


・ボルテスV、新生、そして凱旋

そのフィリピンが、なんと3年という期間をかけて、2023年に『ボルテスV』の実写化を行いました。


その名も、『VOLTES V : LEGACY』!!

全90話制作され、気になる放送日程は平日5日の午後8時~8時半という、まさにゴールデンタイム独占の状態!!!

あのボルテスが令和に復活…。 しかも、海外で、熱狂的な愛とリスペクトを受けて!!

日本人のファンにはたまらないですよね!!


そして、2024年10月18日

フィリピンで新生したボルテスVが…



故郷、日本に帰ってきました!!!!!

これを『凱旋』と言わず何と言うか!!

『ボルテスV:レガシー 超電磁編集版』と銘打たれたその映画の全貌を、ガッツリ語りたいと思います!!



・ボルテスV:レガシー 超電磁編集版とは!

フィリピンで制作された「VOLTES V : LEGACY」のほんの序盤の数話を、映画97分の尺にギチギチに詰め込み、画質アップした、監督いわく日本のための作品!だそうです。


・ボルテスV:レガシー 超電磁編集版 その内容とは(超絶ネタバレ注意)

敵であるボアザン星人が、地球への侵略を開始する。 ボアザン星人に攻め込まれ、ボロボロになっていく地球。 未知の敵に地球のオンボロ兵器では刃が立たず、防衛軍の指揮が、『最後の砦』にすべてを託すことに…。

この日のために極秘の訓練を受けていた(実は一人受けてない)スティーヴ、ロバート、リトル・ジョンのアームストロング三兄弟と、マーク・ゴードン、ジェイミー・ロビンソンは本部からの帰還命令を受け、地球が『エイリアン』の攻撃を受けている、という嘘か真かもわからない事実を伝えられ、それが本当であるとアームストロング三兄弟の母のマリアンヌは言う。

一方、未知の兵器で地球軍を圧倒しているボアザン星人のプリンス・ザルドスは、その勝利を確実なものとするため、巨大兵器『ドクガガ』を地球に解き放つ。

その頃、司令で呼び集められたボルテス・チームは、いきなりの実戦に身を投じることになる。それぞれ担当マシンと役割を与えられ、ボルト・マシンに搭乗していくが、長男のスティーヴはいきなりの実戦に操作の不安を感じながらも5人の指揮担当(リーダー)となる。武装に興奮したり、リトル・ジョンに至っては『ゲームみたいなもの』と言い出す始末だが、ボルテス・チームは現場に出撃する。

5人それぞれボルト・マシンを音声コマンドで操作し、ボアザン軍を駆逐していくが、ついに『ビーストファイター』と名付けられたボアザン星人の巨大兵器、ドクガガが現れる。


巨大な敵に困惑するスティーヴとメンバーのもとに、『ブイフォーメーションをとってブイトゥギャザーだ』という命令が入り、ドクガガの隙をついて5人の仲間たちは遂に心を一つにするときを迎える。


『レッツ! ボルト・』

『『『『『イン!!!!!』』』』』

Vの字に浮遊する各ボルト・マシンが、日本語の主題歌をバックに続々と合体して地球を照らす一つの希望となる。


『ボォォォルテェェェス!!

ファァァァァァァァイブ!!!』

合体ロボ・ボルテスVの誕生だ!


ボルテスVは地上に降り立つと、遂にドクガガとの決戦の刻を迎える。

最初は殴りなどの単純な攻撃でドクガガを攻撃していたボルテスVだが、スティーヴの的確な指示と仲間たちの特技を活かした攻撃で、徐々にドクガガを追い詰め、無敵と思われたボアザン軍を劣勢にしていく。

ボアザン星人側も、ボルテスVの登場とその戦力に焦り始める。

スティーヴはドクガガを仕留める好機を捉え、ボルテスの胸に収納された天空剣を取り出し、空高く突き上げる。

『天・空・剣!!!!!』


【この先は映画館で見よう!!】


・実際に見てみて

とても素晴らしい出来でした!!

そこら辺の芸能人とかではなく、特撮系のガチ声優を使った吹替版で見ましたが、

涙が止まりませんでした。 …あぁ、これがリスペクトなのか……。と、

フィリピンの方々の愛をしみじみと感じました。 ありがとう、フィリピンの方々!

そしてボルテスVレガシーに関わってくれたすべての人に、ありがとう!

ただどうしてもドラマ2話分の圧縮なので雑には見えるかもしれませんし、終盤は引き伸ばしすぎかなぁという印象を受けました。でも、そこまで時間をかけてアームストロング三兄弟とマリアンヌの家族愛を描きたかったんだなぁ、とも感じます。

この実写化を他の実写化は見習ってほしいです。下手な芸能人とかアイドルを使ってコケられるより、こういう原作リスペクト満載の作品がわたしは見たいんです。

『こういう実写化が見たかった!』というのは、過去東映がパワーレンジャーのリブートを上映したときにも叶わなかったことでした。そもそもパワーレンジャーがスーパー戦隊シリーズをリスペクトしてないからなんです。対してボルテスV:レガシーは、リスペクトの塊とも言えるほどの描写の濃さでした。 これがテレビで見れる日が楽しみです。


・さいごに

たとえこの映画が終映しても、

ボルテス・チームの戦いは、続く…。

がんばれ!ボルテスV!! 負けるな!ボルテスV!!!


みなさんもこの秋に、フィリピンが本気で作った、

これぞ『実写化』という名に相応しいロマンを追い求めてみませんか?

上映してる劇場が少ないみたいなので、終映しないうちにお早めにどうぞ!!




みなさんも映画館に、レッツ、ボルトイン!!

---七夜志希